解体工事について

解体工事の種類

売却に関する解体工事

土地を売却するときは、売却で得られる利益(売却費−購入費−売却経費)に対して税金(譲渡所得税)がかかります。売却の際にかかる費用(仲介手数料、登記登録費用、契約書の印紙代等)は譲渡費用として、譲渡所得から控除されます。控除された分、税金がかかる金額は少なくなるので、土地を売却した際に負担する税金を抑えることができます。ですがこれにはいくつかの注意点があることも覚えておく必要があります。 まずは建物の解体目的が、土地売却のためであるということが明らかな事です。そして、経費として認められるものは原則、解体後1年間という決まりもあります。 将来の売却のためにとりあえず建物だけを節税のために解体するというのは得策ではありません。 工事に関しては土地売却がある程度決まってから解体工事を行うべきです。 売主の負担で解体工事をされる方が注意するべき点は解体費用が譲渡に要した費用と認められない限り控除の対象にはならないということです。 これは、解体費用を「譲渡に要した費用」、つまり「売却成立要件」にすることで解決できます。 その旨を不動産会社にも必ず伝えましょう。売買成立時の売却契約書に一言「解体を売主負担で行うことを、本契約の成立要件とする」という項目を入れておくといいでしょう

建て替えに関する解体工事

建物解体の際、家の建替えと合わせて解体工事をする場合はハウスメーカーや工務店にまとめて依頼したほうが安くなると思っている方も多いでしょう。 しかし、この考えかたは大きな間違いです。一括発注してしまうと、解体業者ハウスメーカーの下請けとして工事することになります。この場合、解体費用にハウスメーカーの中間マージンが発生し、本来の解体工事金額より費用がかかってしまいます。建て替えのための解体の場合は分離発注で専門業者に直接依頼する事で費用を抑える事が出来るのです。解体費用を抑える事で新しく建てる建物の質を良くする事もできるので建て替えの際の解体工事は分離発注をする事が最善の方法です

ビル・マンション等の解体工事

マンション・ビルなどの解体は、特定建設作業届けを作成・提出してからの工事着工となります。 アパートやマンション、ビルなどの解体の場合、作業効率だけではなく周辺地域への影響や安全性も優先しなくてはなりません。解体作業は重機を使うため騒音・振動は避けられません。解体時にホコリなども発生するため周辺住民にご迷惑をかけてしまうため、解体業者は工事着工前に挨拶などを行いますが、発注者様からも事前に近隣の皆様に工事の説明をしておく事をお勧めします。 ビルやマンションの構造の多くは鉄筋や鉄骨を仕様しているものが多く、木造解体に比べて解体規模が大きくなります。ホコリや粉塵が飛散しないように散水しながらの解体工事をしたり、養生足場に防音・防塵シートなどで飛散防止の対策をして解体作業を進めていきます。 こうした大規模な解体の場合は解体業者に大きな建物の解体実績があるかも確認しておくと良いでしょう。

駐車場にするための解体工事

駐車場を作るために解体工事をお考えの場合は解体工事と一緒に工事をする事で総額の費用を抑える事も可能です。同時に工事を依頼する事で重機やトラックにかかる費用を抑える事ができるからです。 建物解体後に駐車場にする場合、解体後に砕石を引き、コンクリートまたはアスファルトに舗装する必要があります。アスファルト舗装の費用は高額なものになりますが、費用を抑えたいのであれば砂利を引くだけの駐車場にすることも可能です。

解体工事の知識

費用に関する知識

解体工事の費用には大きく分けると建物の解体費と廃棄物の処理費の2つに分かれます。 解体費とは建物を解体するために必要な人件費や解体の際に使用する重機・廃棄物を運搬するトラックにかかる費用の事です。 処理費とは解体の際に出た瓦礫(木材やコンクリート等)の産業廃棄物を処分するための費用と不要となった家具や家電などの一般廃棄物の処理費用の事です。 家具や家電などに関しては一般廃棄物(粗大ゴミ)となりますので解体工事着工前に事前に処分することで処理費用を押さえられるケースがあります。場合によっては解体業者にまとめて依頼したほうがお得な場合もあるので業者に事前にお尋ねください。

手続きに関する知識

解体工事の工事前各種手続き

解体工事は、解体作業だけではなく工事の際に出る瓦礫などの廃棄物処理がつきものです、現行の法律では80m2(約25坪)を超える延床面積の建物を解体する場合は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リサイクル法)に基づく届け出を市区町村に提出する必要があります。

解体工事の工事後の手続き

解体工事後は「建物滅失登記」の手続きが必要です。建物滅失登記とは建物の登記簿を閉鎖する手続きで、解体工事が終わったら申請する事が義務付けられています。 最寄りの法務局で手続きの詳細を教えてくれます。 建物滅失登記は司法書士や土地家屋調査士などの専門業者に委任する事も可能です。依頼の際は書類と委任状や依頼者の印鑑証明等が必要になります。

トラブルに関する知識

不法投棄

解体工事業者には解体の際に出る廃棄物を適切な処理をせずに不法投棄をする業者も少なくありません。 不法投棄をした者は5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、又この両方の罰則(法人に対しては3億円以下の罰金)になります。また、不法投棄目的で廃棄物の収集、運搬した者は3年以下の懲役か300万円以下の罰金、もしくはこの両方の罰則があります。これは業者だけでなく依頼主(施主)にも責任が及ぶ場合があるので業者選びはしっかりと見極める必要があります。

近隣トラブル

解体工事は重機などを使うため小さな建物だとしても騒音や振動が必ず発生します。その他にも異臭や重機、トラックなどの搬入や廃棄物の運搬等近隣住民への迷惑は避けられません。そのため近隣の皆様へは事前に挨拶をしっかりとする必要があります。しかし挨拶をしていてもクレームが入ってしまう事があります。工事着工前に業者のほうでも近燐の皆様へは挨拶にいきますが、工事の間にご迷惑になりそうな近所の方への挨拶は施主様のほうでもしておくほうが良いでしょう。トラブルを最小限に抑えるためにも近隣への挨拶は必要です

工事内容に関する知識

解体工事の安全対策

解体工事では解体途中で脆くなった壁や柱などが倒壊したり、解体物が落下する危険があるため万全の安全対策で工事をする必要性あります。事故や怪我は作業員だけの問題ではなく、現場全体の問題であり、また近隣にも迷惑がかかってしまう場合もあります。安全対策としては作業員一人一人が工程を把握し、ヘルメットや安全靴、作業に適した服装をして無理な作業や倒壊をしないように安全な解体作業を心がけることが重要です。最悪の場合、事故などが起きてしまった場合に保証ができる「賠償保険」に加入している解体業者を選ぶこともとても重要です。保険等がしっかりしている業者であれば万が一の事故の場合でも迅速な対応をしてもらえます。

手壊し解体

古い家などが密集している地域や道幅が狭く重機の搬入ができない土地では全て手壊しで解体する場合があります。その場合、費用は割高となってしまいますが、安全面を最優先した適切な解体方法で作業をしていきます。

木造解体

木造解体とは一般的な住宅など木造構造の解体のことを言います。木造はW造(Wood)と言うこともあります。一般的な住宅のほとんどがこの木造となります。

S造解体

S造解体とは鉄骨構造(Steel)の建物解体のことを言います。骨組みに鉄骨が使用されているため重機に特殊なカッターをつけて鉄骨を切りながら解体しています。カッターが入らないところはガスなどで焼き切る場合などもあります。

RS造解体

RC造とはいわゆる鉄筋コンクリート構造(Reinforced Concrete)のことを言います。文字通り鉄筋とコンクリートを混ぜ合わせた構造で張力の強い鉄筋と圧力に強いコンクリートを組み合わせることによりお互いの長所を活かした耐久性に優れた構造になっており通常の解体に比べ解体作業にも時間がかかるため費用は割高になります。

内装解体

内装解体とは構造そのものは残し内部だけ解体することを言います。店舗やテナントなどの空け渡しの際の元の状態にするための原状回復や、構造体以外の全てを解体するスケルトン工事などがあります。そのほかにも物件により一部だけを解体したりと様々です。

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